ユイノートver.02

いろいろ気ままに書いています。

【レビュー】steam(PC)版『アズールレーン クロスウェーブ』をプレイしました

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 原作がソーシャルゲームであると頑張っているのではと思います。頑張っているとは思うのですが……

  アズールレーンは中国から開発・リリースされているスマートフォン用アプリです。ジャンルとしては2Dの横スクロールのシューティングになります(同じ船が題材ですがジャンルの違いが艦これとの最大の差別化ですね)

 本作はRPGと銘打ってはいますが実質はTPSに近い操作感です。

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 原作では結構な数のキャラがいますがさすがに本作では全員を出す訳にもいかず、合計60名居るか居ないかぐらいのキャラしかいません。そのうえで更に主力艦・支援艦で別れておりプレイヤーが実際に操作できるキャラ、つまりプレイアブルキャラは主力艦のみになります。支援艦はスキルでサポートしてくれるだけです。

 キャラクターは最初から全員使える訳ではなく、ストーリーの進行に合わせてスカウトするという形で開放されていきます。解放された上でAポイント(作中的にはAkashiポイントなんだろうか……)を使ってさらに解放することで使えるようになります。文字だけで書くと面倒臭そうに見えますがポイントはプレイしてれば勝手に溜まっていくので片っ端から解除していくと言うスタイルでもなければすぐに目当てのキャラが解放できるはずです。

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 ネプテューヌシリーズでPS2レベル、よくてもPS3初期レベルのモデリングをずっと使っていたコンパイルハートとは思えなぐらいモデリングは非常によい出来です。イラストに対してちょっと幼く感じるキャラがいくらか居ますが特徴は捉えていてきちんとそのキャラクターと認識できます。ここ数年コンパイルハート製のゲームは全然遊んでなかったのですが喜ばしい進歩だと思います。

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 ストーリーは本作初登場となるキャラクターの『駿河』と『島風』が中心となり進んでいきます。駿河はクール系のキャラかと思いきや実質は臆病で内向的、島風はとことん脳筋既存キャラに負けない個性を持っています。本作はほぼADVパートがメインになる訳ですが全編フルボイスで進みます。メインストーリーだけでなくサブイベントもきちんとボイスがあります。割りとテキストだけだったりする場合が多いキャラゲームでは結構頑張った方ではないでしょうか?

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 きちんとイベントCGもあります。贅沢仕様です。

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 ADVパートの合間にバトルパートがある、という形なのですがこのバトルパートがゲームとしてはかなり薄味で、操作しにくいとか何らかの不具合があるとかでもないのに印象に残りませんでした。非常に簡素と言うか、ゲームとして浅いと言うか。言葉にするのがとても難しいですが、ネガティブな印象を受ける要素はなかったはずなんですが……。ここら辺は開発の技術力ゆえなのか、それとも原作のターゲット層を考えたゆえなのか判断に困るところです。PS4版では一部処理落ちが目立つそうですがPC版なのか処理落ちは発生しませんでした。基本60FPSべったり出ています。

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 ちなみにこういう2Dマップを移動するパートもあります。普通のゲームで言うところのフィールド的な場所に当たるんでしょうか。ここでキャラを動かしてイベントを見てゲームを進めていくと言うのがストーリーモードになります。

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 ストーリー以外のゲームモードはひたすらバトルするだけの『エクストリームバトル』と『フォト』の二つ。

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 『フォト』モードは読んで字のごとく、ステージとキャラを選び自由に写真を撮るモードです。インターネットを見ているとこのモードが一番評判が高いっぽいと言うゲームとしてはどうなんだと言う疑問は残りますまぁ実際に楽しいです。昔はこういうジオラマ要素はあまりウケがよくなかった印象がありますが最近はウケが良い印象があります。やっぱり好きな娘を好きなようにしたいと言う欲求の現れなんでしょうかね? あとはせっかく出来のいいモデリングを嘗め回すように見る場所がここしかない、というのもある気はします。

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『エクストリームバトル』はストーリーの時と同様に艦隊を組んでひたすら戦うモードです。ストーリーではあまりバトルパートがないのでその分をこちらで、と言った感じでしょうか。ストーリーでもそうなのですが、その戦闘で敵として出てくるキャラは使わせてもらえない縛りがあるので、ちょっと煩わしく感じるかもしれません。僕はこういう縛り死ぬほど嫌いです。

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 あとは原作同様に秘書艦を選択できます。こちらは主力艦・支援艦関係なく選択でき、メニュー内を音声で案内してくれます。メインメニューだとつっついて遊べます。実際につっついてるかは知りませんが。これまた原作と同じように結婚なんて要素もあるみたいです。原作とは違う演出・セリフらしいので原作で結婚したキャラでももう一度結婚する意味があるのはあざといと言うか、キャラゲーとしては分かってるなぁと素直に感心しました。

 結論から言うと原作が好きでかつ安く売られているなら買っていいかも? と言うゲームだと思います。これがフルプライスで売られていた事実が非常に恐ろしいです。キャラゲーとしては頑張っているとは思うのですが如何せん全員がプレイアブルでない事、肝心のゲーム部分がシンプルすぎるのがネックです。

 キャラクターの選出基準もいまいち分からず、今回の記事で秘書艦に設定しているキャラクターは原作だと期間限定のイベントで入手できたキャラクターなのでここ最近アズールレーンに触れた方だと分からない可能性が高いのにも関わらず出てきています。(さすがに支援艦ですが)こういうと何ですが、原作で僕が好きだったキャラは概ね出ていますが、あれだけキャラがいるゲームがベースと考えると奇跡に近い話です。なので先に自分の好きなキャラが主力艦に居るかあらかじめ調べておいた方がよいでしょう。

 また、どのキャラを操作しても操作感は変わらず、一切キャラの差別化が出来ていません。仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね。故に、安く売ってるなら買ってもいいかもね程度、という訳ですね。フルプライスのゲームとしては物足りませんが安価だとよくできたインディーズゲームと言う感じでラフに遊べるかと思います。クソゲーだ! 面白くない! と言うよりはなんか物足りないなぁと感じるゲームでした。

 最後にシステム的な不満を言うと、ゲームを立ち上げると最初のカーソル位置がNEW GAMEの位置にあるのとオートセーブがないのが頂けないかな。前者はともかく後者はすごく不便です。