ユイノートver.02

いろいろ気ままに書いています。

プラモデルのあれこれ――プラモデル初心者さんに読んで欲しい

 少し前に比べると店舗やネットで各種プラモデルを買いやすくなりました。

 コロナ禍が明けたと言うにはまだ厳しい世間ですが、もう少しすればお盆休みなどでちょっとした需要があるかも知れないので初心者の方にぜひとも読んで参考にして頂きたいです。

ぶっちゃけた話をすると……

 プラモデル初心者に向けた記事や動画などが結構ありますが、基本的にニッパーとヤスリ、ナイフ等を用意してくださいって物が結構多いです。

 ここでぶっちゃけた話をしてしまうのですが、普通に作る分にはプラモデル専用のニッパーがあれば充分に作れます。

 上記の写真は墨入れ、デカールなどは貼っていますが組み立てに関してはニッパーのみで行っています。バンダイの新しめのキットとあって普通にキレイに仕上がります。個人的には初めて作る場合はまずニッパーのみで作ってみるのをオススメします。

ニッパーの種類とか値段の差とかバラバラでわかんねぇ問題

 プラモデル用にニッパーって大体プラモデルが売ってるお店には一緒に売られています。置かれている場所も近い事が多いと思います。

 これが難しいんですが、ニッパーって種類が多いですし、値段も結構バラつきがある安い物が800円前後で高い物だと5000円ほどする。初心者の方は何を買えばいいのかまず悩むと思います。あ、当然ですが100均なんかで売っているニッパーは論外なので、きちんとプラモデル専用の物を買いましょう。

 大雑把な分類ですが、高い物は刃が薄く切れ味が良い。安い物は刃が厚く切れ味はそれなり。高い物は刃が薄い分耐久力が低くなってしまうけど、安い物は刃が厚いので薄い物よりは丈夫。と思って頂ければいいです。個人的にはまず安い物を買って作ってみて続きそうなら高い物を買うと言う物がオススメです。このように買った場合でも安い物はランナー(部品が付いてる枠)処理で使うので、無駄にもなりにくいでしょう。

 個人的にオススメなモデルはタミヤさんの精密ニッパーです。実売価格は大体2000円ぐらい。安い物と高い物の中間みたいな感じの使い心地。ガッツリ作る場合でもコレがあれば充分すぎる具合。ゴッドニッパーなどの高級なニッパーほどではないですが、通常のニッパーより切れ味がよいです。ランナー処理もこれで充分行えます。……僕はこれで刃が折れた事はないですが、ちょっと不安な感は正直あります。

ニッパーで良い物を選ぶ利点とは

 はてさて、ニッパーの大雑把な種類と言うか値段帯の差は分かって頂けたと思います。作るだけなら普通のニッパーでも良いと書いてあるにも関わらず、多少お高い精密ニッパーをオススメする理由とその利点とは?

 切れ味が良い事の利点は、切った後の部品が綺麗に仕上がると言う事ですね。ランナーから切り離す時にどうしても圧を掛けているので多少なりとも部品側に切った後に通称ゲート跡、つまり切断に寄る傷が出来てしまうのですが、切れ味の良いニッパーほどここが綺麗に切り離す事が出来るので、塗装するなら仕上げが楽になりますし、塗装しないなら見栄えがグンと良くなります。

 また、副次的な利点として切断による疲労が少なくなると言う点も見逃せません。最近のキットはメーカーに寄ってはなるべく部品点数を減らすと言う事もしていたりしますが、ガンプラの大型キット、コトブキヤのキットなどでは部品点数が多く、必然的に切り離す回数が増えます。この時にニッパーの切れ味が悪いと切り離す時の抵抗が強く結構手が疲れます。切り離して部品を付けるの繰り返しって結構手が疲れるんですよね。

ニッパー関連のまとめ

・値段が安いと切れ味が落ち、耐久がある。値段が高いと切れ味が良く耐久性が低い傾向にある

・値段が安い物でもランナー処理、つまり片付けにも使うのであって損はしない(ランナーを細かくせず捨てようとすると結構な地獄を見るので注意)

・値段が高いと仕上げが綺麗になり、何をするにしても楽になる。切れ味が良いと疲労を軽減する事に繋がります

・値段が高い物は耐久性に劣るとは書いたものの、きちんとメーカー側が想定した使い方をするのであれば早々簡単に壊れないので気にしなくて大丈夫!

塗装に関して

(上記写真は墨入れと部分塗装を行っています)

 たまにどうしようもない愚か者過激派が素組み……つまり組んだだけでプラモデルを作ったって言うなと言いますが基本的には自己満足の世界なので作る物に合わせましょう。塗装を開始するハードルが低い物ほど塗装自体が難しいと言うのが現実です。

 ガンプラ、美少女プラモデルは基本的にある程度の色分けはされているので塗装しないでも充分な出来になります。ただ、美少女プラモデルは細かい部分の色分けが足りないが多いので、ガンダムマーカーなどで部分塗装を行うとグっと出来が良くなるので、気が向いた場合はチャレンジしてみましょう。

 クルマ、戦車、船などと言ったスケールモデルと呼ばれるプラモデル達の殆どが実質塗装と接着が必須のキットが多めです。もちろん、塗装しないでも組み立てる事も出来るのですが、色の数が少なくて寂しいので塗装しないと見栄えが劇的に悪くなります。

 クルマに関してはアオシマさんがプリペイントモデルと呼ばれる塗装済みかつスナップフィット、つまり接着剤が要らないキットなどが出ていたりします。

 なんにしても、塗装しないよりは塗装した方が見栄えが良いと言うのは間違いないのですが、ガシガシ動かして遊びたいと言う人は塗装しちゃうと神経を使う事になるので、自分の遊び方に合わせて選んでしまいましょう。

 プラモデルとは自己満足の世界です。プロモデラーではないのですから、まず自分が楽しくないと意味がありませんぜ!

部分塗装にオススメ、ガンダムマーカー!

 部分塗装にはコレがおすすめです。広い面には流石に不便ですが、ちょっとした部分ならお手軽に塗る事が出来ます。ただし、ペン先が入る、入らないがあるので過信は禁物ですが……。1本200円から~300円ほどで買えるのもお手軽ですね。

 ガンダムマーカーで一番気を付ける必要がある点はアルコール系塗料と言う事でイメージとしてはラッカー塗料的な側面があると言う事です。つまり、これはプラ素材によっては塗料がプラ側を侵食してしまうと言う事です。特にABS系の素材とは相性が最悪簡単に侵食しパーツを破損させます。なので、ガンダムマーカーでの塗装を行う際は説明書とにらめっこして材質を確認してから行ってください。

色んな種類があるガンダムマーカー

 ABSを塗れないと言う事は理解したぜ、でも写真みたら色々あるけど何が違うんだと言う事も軽く説明しておきます。

 まずは通常のガンダムマーカー。一番種類が多く、色にも選択肢もあります。値段もお手軽。塗料としての性能と言うか隠ぺい力(下地の色を隠す力)は本当にまちまちびっくりするぐらいバラつきがあります。なので、下記で説明している物に色があるならばなるべくそちらを購入する事をおすすめします。

 次はガンダムマーカーEX。通常の物から100円値上がりしています。メーカー的にはどうなのか分かりませんが、通常のマーカーより圧倒的に隠ぺい力が高いのが特徴です。メタリック系の色だと粒子に差があるのか、より綺麗になっていたりもします。ただ劇的に変わると言う訳でもないので、個人的にはメタリック系の色は好みの差かな。

kakakumag.com

(上記の記事がとても丁寧で分かりやすいのでおすすめ!)

 特にホワイトはEXでないと使い物にならないので、白で部分塗装したい場合はこっちを買いましょう。

 次は各種スミ入れ用のペン。溝やモールドに色を入れて強調させる事で情報量を増やさせる奴です。これ系は消しゴムで消せる事もあって使いやすいので、何本かあるとプラモデルが楽しくなるのでおすすめ。

 リアルタッチペンは実は意外と応用が利き上手な人は汚し塗装なんかで使われる方も居ます。そうでない場合は似た色のパーツのゲート跡を処理する事で出来るので、色が合うのであれば買って損はないかな、と言う感じ。ちょっとステップアップしてみたい方はぜひ。

 最後に消しペンですが、これはそのまんま。塗料を剥がしたい時に。ただ綺麗に消えると言う訳でもなく、ちょっと使い方にクセがあるので絶対買おうとは言えないなぁ、と言う感じ。正直塗るのをミスった場合へ削った方が何倍も綺麗に仕上げれます。最悪マーカー部分は落とせても微妙に汚れが残って余計汚く見えてしまうリスクもあるので、使う場合は充分に注意しましょう。

ちょこちょこ出て来たプラモデル、プラスチックの材質とは

(全身がABS率が高いコトブキヤキットさん)

 プラモデルに限った話ではないのですが、プラスチックと一言で言っても種類は結構あります。ややこしい話になってしまうと思いますが、非常に大事な事なので合わせて書いておこうと思います。

PS樹脂

 ポリスチレン、スチロール樹脂とも。

 プラモデルに使われる材質としては一番メジャーな材質で、ガンプラなんかでは基本的にこの材質が殆どです。

 一番使われていると言うだけあって、削ったり接着なので各種加工が一番簡単で、塗装もよっぽどの事が無い限りはそれが原因でパックリ割れると言う事はないと思います。

KPS樹脂

 通称なので正式名称は分からず。と思いつつ念のために調べたのですが強化ポリスチレンの事らしいです。

 これは近年のガンプラで使われている素材で、一応ガンプラの説明書ではPS樹脂扱いされていますが、通常のPS素材に比べて柔らかく粘りがあるのが特徴。なので、関節に使われている事が多いです。あと、PS樹脂に比べるとマットな質感なので見ればすぐわかるでしょう。

 ちょっと個人的な感想が入ってしまうのですが、ABSに比べると塗装する為のハードルは低いっちゃ低いのですが、柔らかく粘り気があると言う事でヤスリを掛ける時の感覚が他の樹脂とは圧倒的に違って、ABSやPSに比べるとキレイに仕上げにくいんですよね。

ABS樹脂

 昔のガンプラの関節、現行ならコトブキヤキットで使われる樹脂。これの正式名称はなんなのか。

 非常に硬く、摩耗耐性があると言うことで今でも良く使われるんですが、この樹脂の最大の弱点は塗装では必須になる各種溶剤に対して極端に弱い事。アクリルぐらいなら大丈夫な印象ですが、ラッカーやエナメルはもう秒で割れちゃうイメージ。

 塗装する場合は丁寧な準備や知識が必要になりますが、正直僕は塗装するのであればKPS樹脂より圧倒的にやり易いですね。逆に部分塗装だとちょっと面倒くさい。

 削る場合は特に問題ないのですが、接着する場合は専用の物でないとしっかり接着できないので注意が必要です。

PE樹脂

 ポリエチレン樹脂。各プラモデルに使われているいわゆるポリキャップの事です。ゴムっぽいあれ。

 基本的に接着出来ず、塗装も出来ないです。むろん絶対できないと言う訳ではなく本記事で説明している樹脂の中では一番知識と技術が求められます。僕はどちらもした事ないですね……。どうしても別の場所で固定したいなぁと言う時はパテを使っていました。

POM樹脂

 ポリアセタール樹脂。基本的に美少女プラモの関節部分に使われています。あとミニ四駆とかでもぼちぼち。イメージとしてはABSの特徴をぐぐーんと強めた感じ。

 プラモデルで使われるようになったのは割と最近なので僕は知識がないので、以下の記事に任せます。

promodeler.net

 以上の記事を見るに、塗装する場合はめちゃくちゃハードルが高いっぽいですね。

最後に、接着剤について

(ポロポロ取れるわ、あらゆる部分が干渉しまくって遊びにくいスサノヲさん)

 プラモデルが完成して、いざ動かして遊ぶと小さい部品がポロポロ取れる事って割とあります。これ、無茶苦茶ムカつきませんか? これは基本的に接着剤が解決できます。

 接着剤は基本的に二種類あります。接着すると言う広義で見れば同じなのですが、性質は大きく違うので説明させてください。

 あ、どちらを使うにしても考えなしに接着しちゃうと動かせなくなる可能性があるので、接着する場合は充分に注意してください。また、どちらも対応している樹脂などが製品によって細かく分かれているのでしっかりと確認してから使いましょう。

セメント

 タミヤの角瓶の奴で有名な接着剤。頑丈に接着したいならコレ。

 ちょっと粘度がある液体で乾燥も遅い。なので、初心者の方が使うにはちょっとハードルが高いかも。

 セメントは基本的に接着する際に樹脂同士を溶かして接着させます。かりやすいイメージで言うのであれば、溶接でしょうか。その為、瞬間接着剤に比べると知識が求められたり、綺麗に接着するのが難しいので、初心者の人は基本的に瞬間接着剤で充分じゃないかなぁ。

 いずれにせよ、使い方やその性質を理解するとプラモデルを綺麗に作る上ではめちゃくちゃ応用が利くので、慣れてきたらこちらも使ってみようって感じでよいと思います。

瞬間接着剤

 アロンアルファとか、それ系の接着剤。指に付くと悲惨な事になるので注意。プラモデル専用の物も多くあります。

 ちょっと部品が取れやすいなぁと言う部分を接着するにはこれで充分すぎるくらいなので買っておくと便利です。

 ただし、セメントに比べると強度そのものは大きく劣ると言う事と、応用がセメントほど効かない事が難点。(難点と言っていいか分かりませんが。)

 こちらのイメージはめちゃくちゃ接着力が高い糊やボンドと言ったイメージ。セメントほど材質は選びませんが、接着力やそれに対する強度はそれなり。ただ、液体だけで接着しているのであとから剥がしたりできると言う利点は大きいです。

おつかれさまでした

 転売屋の餌食となって久しい各種プラモデルですが、近年はメーカーも頑張っていて店頭でもちょこちょこ見る事が増えてきました。

 プラモデルを作ってみたいけどちょっと身構えるなぁと言う方に、「とりあえず作りたいだけならニッパーがあればいいよ!」と言う記事を書きたかったのですが結局ちょっとだけ深堀した記事になってしまいました。今後、プラモデルに手を出してみたいなぁと言う方に手助けになったのであれば嬉しく思います。気になる事や疑問がありましたら、コメントくだされば分かる範囲でお伝えさせて頂きます。